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駿府公園茶室 雲海・静月庵

広間棟内部
●所在地:静岡県静岡市 ●所有者:静岡市
駿河湾の風景をテーマとした雄大な庭の一画に茶室が計画された。本格の茶事を楽しむことができると同時に、大寄せの茶会を催すことができ、また句会や邦楽の会など多目的にも利用しうるという内容を託した施設である。

施設は広間棟を真中に南へ立礼棟を配し、曲折する渡り廊下を経て北東の茶室棟へ至る。広間棟は主室八畳・次の間六畳・寄付八畳の座敷を三室並べ、二方に入側をめぐらし庭を望む。主室八畳は今川義元の風流を偲びたいという駿河の人たちの心意気を、類例の少い構えに反映しようとした。上段の間を四畳敷の広さに設け、奥半間の中央に床、左床脇に地袋をつくり、床の右は畳敷きで付け書院を備える。茶室は下座床を設けた四畳半に中柱を建て、台目構え(丸畳)の点前座を付加し五畳半の広さとした。小間の茶法と佇まいを堅持しながらも、ゆとりのある空間に仕上げた。

一連の建物が「紅葉山庭園」の風景に融けこむような外観を整えるため、広間棟は下屋造りとして量感を抑えつつ、控えめな姿を形成するよう努めた。
竣工年 平成13年
施工者 株式会社 安井杢工務店
2024年4月
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