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出羽遊心館

広間棟・茶室棟俯瞰
●所在地:山形県酒田市 ●所有者:酒田市
最上川の河口に位置する酒田は、上方文化との接触が早く、諸芸能を嗜む人も多い。この建物は、そうした市民のために、また文化向上に資するべく、広く日本的な芸能を研修できるよう酒田市が「和風文化会館(仮称)」として計画した施設である。なおこの施設の建設が庄内における木造建築技術の継承と発展に寄与することも企画の主旨に含まれていた。

施設は玄関・管理棟・多目的のホール棟・舞台芸能のための研修棟・生花、迎賓会食用の和室棟・茶会等のための広間棟及び茶室棟から成る。環境との調和、建造物の自然との融合性そして西方からの強風を考慮して、東西に諸室を雁行させる平面構成とし、大小高低のある建物を連繋することで穏和な造形に整えた。建物の南方には芝庭が広がり、東方から北へ最上川に見立てた流れがそそぐ。茶室棟は東端の広間棟から渡廊下で繋ぎ、閑寂な「露地草庵の一境」を形成する。渡廊下は、茶室の軽微な構造を強風から保護する機能をも果たす。また、京大工の担当はこの離れの茶室棟であったが、全般的に庄内大工との緊密な協力体制で進められ技術交流の成果が施工に反映されたといえる。広間棟の施工には、山寺芭蕉記念館に携った山形大工も加わった。

「出羽遊心館」という呼称は市民による多数の公募の中から選ばれた。
竣工年 平成6年
施工者 丸高・鈴木工業建設工事共同企業体
(協力) 株式会社 安井杢工務店
2024年4月
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