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山寺芭蕉記念館

玄関ホール
●所在地:山形県山形市 ●所有者:山形市
この記念館は市政百周年を記念して計画された。敷地は、山寺に対面する高台で東西に細長く、北には面白山を中心にした山なみが展開する景勝の地である。かつて山寺を訪れた大町桂月が「余は望む 南院の堤にせめて茶亭あれ」と『遊羽雑記』の中に書いた場所であろう。

施設は芭蕉堂・広間棟・和室棟・研修棟・管理棟(以上木造)、展示室・収蔵室(RC造)から成る。広間棟の主座敷は、山寺を望見できるよう西端に配され、斜面にのりだして建てられている。和室棟は多目的の座敷であるが、主室にも次の間にも床があり、六畳には押入に水屋が設えてあるため茶室としても使うことができる。研修棟には舞台があり、句会のみならず講演会場としても使用される。芭蕉堂は立礼席であるが、円窓をあけた仏壇を設ける。寄棟造りの独立棟で楚々とした外観を形成する。全体的に、各棟ともなるべく重厚な形をとらないよう配置や造形に工夫を凝らし、大自然の風光にとけ込むような佇まいを求めた。
竣工年 平成元年
設計協力 平吹武建築設計事務所
施工者 株式会社 千歳建設/株式会社 市村工務店
2024年10月
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