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万葉亭

広間内部
●所在地:岐阜県岐阜市 ●所有者:紫野カントリークラブ
北方に御嶽山を望む標高550メートルにあるゴルフ場に茶室の建築が計画され、そのクラブハウスに隣接する場所に一境を画して建てられた。動中の静という安らぎのひとときを求める施設として計画が進められた。ゴルフのついでに茶を楽しむためだけでなく、大寄せの茶会や歌会等種々の清遊にも利用できるよう考慮されている。そのため、次の間を伴う広間の茶室と小間に多目的の広間を連ね、浴室を付属した。

広間の茶室は十四畳の主室と八畳の次の間から成る。主室には二畳敷の上段床を構えるが、床柱が二畳の出隅の位置より三尺後退して立てられ、残月床とは異なる。次の間境の欄間には、施主の希望により南禅寺の清流亭の座敷にみる扇面繋ぎが取入れられた。そしてその扇面の桐板には、江里佐代子女史の力作になる優雅な截金を施している。茶室は四畳半に原叟床を組み入れる。天井は床柱の通りに壁留めの杉丸太を入れ小壁を付して室内を二分し、床前を平天井、点前座側を舟底天井としている。原叟床という明快な手法から導き出された変化に富む構成となった。また、小間は広間棟の東側に接していて、天候によっては入側伝いに席入りできるよう配慮されている。
竣工年 平成元年
施工者 株式会社 安井杢工務店
2024年4月
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