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協会の概要

趣旨

日本建築は一世紀前まで完全に木造に終始してきた。そのながい木造建築の歴史が、比類のない建築美と建築技術を生み出し世界の注視をあつめている。しかるに明治以降建築界近代化の過程では、海外の建築技術の導入を主流としてきたために、伝統的な木造建築技術はもっぱら工匠の手にゆだねられ、その進展に対して特に積極的な施策は加えられることがなかった。その事実は学校における建築教育に端的にあらわれており、今や大学でも高度な伝統的日本建築に従事しうる技術教育は全く不毛な現状である。殊に近時は住環境の変化、建築生産方式の合理化、住宅産業の進出等により、数寄屋普請など高度に進歩した在来の木造建築技術は日とともに荒廃の一途を辿りつつある。このまま放置することは、日本の伝統文化にとって巨大な損失であるといわねばならない。今こそ日本が世界に誇るべき大工技術の精華を後世に伝えるとともに、それを新しい技術に発展させるために、あらゆる努力を傾けなければならない時である。

一千年の首都であった京都には、宮殿・邸宅・社寺・茶室・町屋等をはじめ各種の建築が発達した。そして各時代の遺構が多数残存している。京都府はまさしく文化財の一大宝庫であり、なお、将来に伝えなければならない未指定の遺構も少なくない。こうした遺構は、いつの時代においても、伝統建築技術の生きた手本であり、新しい建築創造の活力でもある。そうした文化財建造物の保全には特に高度な技術の練磨が必要である。

また京都府諸地域をはじめ全国各地の歴史的都市・集落は、保存と開発という課題に直面している。ここでも伝統的建築技術は貴重な役割を演じると同時に、その新しい建築への対応も要請されている。

このような観点から財団法人京都伝統建築技術協会を設立し、京都府における大工技術を母体とした伝統建築技術の啓蒙、調査研究、後進の養成等、有効な事業を推進して和風建築を中心とする伝統建築技術の振興、向上を図り、文化財の保全及び広く建築文化の発展に貢献しようとするものである。

目的

京都伝統建築技術協会は、京都に蓄積されてきた伝統的な建築技術を母体として、伝統的建築技術の保存及びその向上を図り、もって文化財の保全に資するとともに、伝統工学の開発とそれを基調とした現代和風の造形を推進し、我が国の建築文化の発展に寄与することを目的としております。

事業

上記の目的を達成するために次の事業を行っております。

  1. 伝統建造物の設計・施工等
  2. 伝統建築技術の調査・研究
  3. 構法(工法)・工作技術及び設計法の研究・指導
  4. 講演会・講習会・見学会・展覧会等の開催
  5. 機関誌等の刊行
  6. 伝統建築技術の後継者の養成
  7. 重要建造物保存への技術的助言
  8. 伝統的建築技術の海外協力
  9. その他目的達成に必要な事業

上記の事業推進のため、財団法人 京都伝統建築技術協会には、一級建築士事務所 伝統建築研究所(設計監理)、及び匠務所(施工)を付置しております。

協会の経過

昭和42年
伝統建築研究会発足
昭和53年11月
京都伝統建築技術協会設立
昭和55年4月
財団法人の設立認可を受ける
〔設立発起人〕
(代表)中村 昌生
笛吹 巖/北村 伝兵衛/熊倉 亨/黒澤 巖/田中 慶明/中村 外二/西川 豊司/橋詰 一雄/水野 喜一郎/安井 洋太郎
(理事長)大倉 三郎
昭和55年5月
一級建築士事務所の登録
昭和58年12月
吉田 時蔵氏 理事長に就任
昭和59年11月
財団設立五周年記念式典
平成3年10月
財団設立十周年記念式典
平成4年4月
中村 昌生氏 理事長に就任
平成12年12月
一般建設業の許可を受ける
平成14年5月
財団設立二十周年記念式典
平成25年10月
一般財団法人へ移行
平成30年11月
持田 武夫氏 理事長に就任
令和3年4月
日向 進氏 理事長に就任
2024年4月
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一般財団法人
京都伝統建築技術協会

〒606-0805
京都府京都市左京区下鴨森本町15
TEL.075-711-2006
FAX.075-711-2823
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